コラム

鉄板の保管方法とは?ケースに応じたお手入れの手段や問題の解決策

鉄板を保管する際は適切な方法を実践する必要があります。保管方法を誤ると錆びや劣化が進行し、使用できなくなる可能性があります。


実際に大切な鉄板が錆びてしまったり、劣化が早まったりしているという方も多いのではないでしょうか。


この記事では、鉄板の保管方法について、短期・長期の保管方法から、お手入れの仕方、よくある問題の解決策まで、鉄板を長期間使用するためのポイントを解説します。

鉄板の保管の重要性

飲食店において鉄板は料理の質を左右する重要な調理器具です。しかし、適切な保管方法を怠ると、錆びや劣化の原因となり、結果として料理の味や品質に悪影響を与えてしまいます。


ここでは、鉄板の保管の重要性について詳しく解説します。

鉄板が錆びる原因と影響

鉄板が錆びる主な原因は水分と空気中の酸素です。調理後にしっかりと水気を拭き取らずに放置すると、錆びが発生しやすくなります。


また、湿度の高い環境で保管することも錆びの原因です。錆びた鉄板は加熱時に異臭を放つことがあり、料理に不快な風味が移る恐れがあります。


さらに、錆が進行すると鉄板自体の強度が低下し、最悪の場合、使用不能となることもあります。
鉄板を長持ちさせ、料理の品質を保つには、定期的な手入れと適切な保管を行うことが重要です。

鉄板を長持ちさせるための基本的な考え方

鉄板を長持ちさせるためには、使用後の正しいメンテナンスと保管方法が重要です。


まず、調理後は鉄板が温かいうちに金属製のヘラやスクレーパーで鉄板全体の汚れを落とします。取った汚れは丁寧に拭き取りましょう。


汚れを落とす際に水を使用する場合は必要最小限にとどめ、水が機器内部に侵入することによるトラブルを防止することが重要です。


次に、水分が残っていたら完全に拭き取り、少し加熱して食用油を薄く均一に塗布して表面を保護します。この作業を繰り返すことで、より効果的に錆びを防止できます。


保管場所は湿気の少ない通気性の良い場所が理想的です。また、定期的に加熱して食用油を塗ることで、良好な状態を維持できます。

鉄板のシーズニングによるお手入れ

鉄板を長く使用するためには、正しいシーズニングが欠かせません。適切なケアを行うことで、鉄板の寿命を延ばし、常に最高のパフォーマンスを保つことができます。


ここでは、鉄板のシーズニングによるお手入れについて解説します。

シーズニングの基礎知識

鉄板を新品の状態から使い始める際には、「シーズニング」という工程が必要です。シーズニングとは、鉄板に油の膜を形成し、錆びの防止と食材のくっつきを防ぐための重要な作業です。


この工程を行うことで、鉄板の状態が良くなり、調理の質が向上します。また、鉄板を保護する役割も果たすため、長期間の使用でも劣化を防げます。


特に業務用の鉄板は頻繁な使用が想定されるため、しっかりとしたシーズニングが必要です。正しい知識を持って、最適な状態を保ちましょう。

シーズニングの手順

シーズニングの手順はシンプルですが、正確に行うことが大切です。

シーズニングの手順は以下の通りです。

  • 鉄板の汚れをとる
  • 鉄板をゆっくり加熱する
  • 高温になりすぎないように注意しながら食用油を塗り、しばらくしたら拭き取る
  • 3の作業を数回繰り返す
  • 鉄板をさらに少し加熱して、少し多めに食用油を塗り野菜くずを炒める
  • 5の作業を2、3回繰り返す
  • 最後に適量の食用油を塗って自然冷却する

この作業を行うことで鉄板は均一な保護膜に覆われ、錆びや焦げ付きや鉄板の匂いが料理に移るのを防ぐため、調理に最適な状態となります。

鉄板を保管する際の重要ポイント

鉄板は適切に保管しないと錆びや変形の原因となり、寿命を大きく縮めてしまいます。特に飲食店では、清潔で長持ちする鉄板を保つことが求められます。
ここでは、鉄板を保管する際の重要ポイントについて詳しく解説します。

鉄板の短期保管方法

鉄板を数日から数週間の短期間だけ保管する場合でも、適切な準備を行わなければ錆びや臭い移りの原因となります。


使用後は、表面の汚れをしっかり落とし、水分を完全に拭き取ってから保管しましょう。


その後、鉄板を少し加熱して全体に薄く食用油を塗布し、直射日光を避け、湿度が低く、風通しが良い環境に保管します。


また、鉄板の上に他の鉄板や調理器具を重ねると、湿気がこもりやすくなって錆びの原因となってしまうため、物は置かないようにしましょう。

短期保管時に気をつけること

短期保管で特に気をつけるべきなのは、湿気と酸化です。湿気の多い環境では錆びが発生しやすくなるため、乾燥剤を一緒に保管場所へ置くことをおすすめします。


また、保管中に鉄板の油膜が劣化してしまうこともあるため、定期的に状態を確認し、必要に応じて再度油を塗布しましょう。


さらに、鉄板を他の金属製品や湿ったものと直接触れさせないよう注意が必要です。異なる金属が接触すると電蝕の原因となり、錆びを促進する可能性があります。また、鉄同士の接触や非金属品との接触はもらい錆の原因となるので注意が必要です。


これらの注意点を意識することで、短期保管でも鉄板の状態を良好に保てます。

鉄板の長期保管方法

鉄板を長期保管する際も、適切な保管方法を取ることで長く良い状態を保つことができます。不適切な保管は錆びや劣化の原因となり、結果としてコスト増につながることもあります。


ここでは、鉄板の長期保管方法について詳しく解説します。

長期保管時に必要な準備

長期間鉄板を保管する前には、通常の清掃以上の準備が必要です。


まず、鉄板表面の汚れや焦げ付き、油分をしっかり落とします。このとき、焦げ付きが強い場合はスクレーパーやグリルパッドを使用し、すみずみまで清掃しましょう。


水を使用した場合は完全に乾燥させ、水分を一切残さないことが重要です。次に、鉄板を少し加熱して全体に食用油を薄く塗布し、酸化防止の膜を作ります。


この油膜は錆び防止の役割を果たすため、鉄板全体に均一に塗布することが重要です。最後に、湿気の少ないところに保管します。


この工程を踏むことで、長期保管後でもすぐに使える状態を維持することが可能です。

湿気対策

鉄板は、湿気が多い環境では錆びやすくなり、使用できなくなる可能性があります。


まず、保管場所は湿度の低い場所を選びましょう。倉庫や厨房の一角でも、除湿機を設置するなどの対策が有効です。


また、鉄板を保管する際には、防湿剤やシリカゲルを一緒に入れておくと防湿に役立ちます。さらに、鉄板の表面には定期的に油を塗り直し、錆の発生を防ぎましょう。


湿気対策を徹底することで、鉄板の錆と劣化を防ぎ、長期間にわたって良好な状態を保てます。

長期間使用しない場合の注意点

鉄板を長期間使用しない場合、放置による劣化を防ぐための工夫が必要です。


必要に応じて除湿機を使用しましょう。また、定期的に保管場所の湿度をチェックし、鉄板の状態や錆びや異臭がないかを確認します。


もし錆びを発見した場合は、すぐに錆を取り除き、あらためて油を塗布することが大切です。さらに、保管中でも鉄板を動かしたり、通気性を保つようにすると湿気がこもりにくくなります。


このような注意点を押さえることで、鉄板の劣化を防ぎ、再び使用する際も良好な状態を維持できます。

鉄板を保護するための道具と材料

鉄板を長持ちさせるには適切な道具の選定が不可欠です。
ここでは、鉄板を保護するための道具と材料について詳しく解説します。

必要な道具一覧

鉄板を保護するために必要な道具は以下の通りです。

  • 金属製のヘラ・スクレーパー:焦げ付きや固着した食材を除去する
  • キッチンペーパー・タオル:焦げ付きや水分を拭き取る
  • 中性洗剤:頻繁な使用は避け、どうしても落ちない汚れに使用する
  • グリドルパッド:専用の掃除用パッドで、頑固な汚れを落とすのに役立つ
  • 耐熱手袋:高温の鉄板を扱う際の安全確保に必要
  • ブラシ:鉄板表面の清掃に使用する
  • 食用油:シーズニングや錆び防止のために使用する

これらの道具を使うことで適切なメンテナンスを実施でき、鉄板の寿命を延ばすことが可能です。

油の選び方

鉄板の保護には、適切な食用油を選ぶことが重要です。


油には「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」の3種類があり、鉄板に馴染みやすい油と馴染みにくい油など、それぞれ特性が異なります 。


乾性油、半乾性油、不乾性油には以下のような油があります。

  • 乾性油:アマニ油、えごま油、グレープシードオイルなど
  • 半乾性油:サラダ油、菜種油、コーン油、、ごま油、こめ油など
  • 不乾性油:ラード、オリーブ油など

乾きやすい油は取れにくく、乾きにくいものは取れやすいため、「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」の順で鉄板に馴染みやすいです。


例えば、程よく乾燥して薄い保護膜を形成するサラダ油や菜種油、サラダ油、コーン油などの半乾性油は使いやすいため、鉄板の手入れによく用いられます。


また、温度による作業性についても注意が必要です。例えば「不乾性油」のラードは油の馴染みやすさからは不適とされますが、高い温度域でサラサラになるので好んで使用される方もいます。


油を加熱して煙が発生する温度を煙点といい、油の種類により煙点は異なります。煙点が低い油を用いると発生した煙により作業しにくい場合があるので注意が必要です。


さらに、鉄板で調理するメニューやレシピとの相性についても考慮が必要で、普段の調理で使用しない油を用いると、油の風味が食材に移ることがあります。


以上のような観点を総合的に考慮して鉄板の保護に使用する油を選ぶことをおすすめします。


鉄板が温かいうちに、キッチンペーパーに半乾性油を適量取り、全体に薄く塗布することで、錆の発生を防ぎつつ、次回の使用時にも焦げ付きにくい状態を維持できます。

焦げ付きや錆びの対処法

鉄板に焦げ付きや錆びが発生した場合でも、適切な対処を行えば再び使える状態に戻せる場合があります。


焦げ付きに対しては、まず鉄板を強火で加熱し、焦げを柔らかくしてから金属製のスクレーパーで慎重に削り取ります。その後、ぬるま湯に浸した布で汚れを丁寧に拭き取ります。


錆びが発生した場合は、スクレーパーやグリルパッド、サンドペーパーで錆びた部分を軽く研磨してください。


その後、濡れたキッチンペーパーや布で錆びを拭き取り、完全に乾かします。


仕上げに鉄板を少し加熱して食用油を薄く塗り、しばらくしてから拭き取ることで、新たな錆びの発生を防げます。この作業は数回繰り返すのが望ましいです。


これらの方法を行うことで、焦げや錆びを除去できるだけではなく、新たな保護膜を形成することができます。どうしてもとれないような焦げ付きや錆びの場合は、専門家に相談しましょう。

鉄板の種類別保管方法

鉄板を長持ちさせるためには、種類に応じた適切な保管方法が重要です。
ここでは、鉄板の種類別保管方法について詳しく解説します。

厚さや形状による違い

鉄板の厚さや形状によって、保管時の注意点が異なります。厚みのある鉄板は熱保持力に優れていますが、その分冷めにくく、保管時に湿気が残ると錆の原因になります。


使用後は完全に冷ました後、水分をしっかり拭き取り、少し加熱してから薄く食用油を塗って保管することが大切です。


薄い鉄板は軽量で取り扱いやすいものの、反りや変形が起こりやすいため、重ねて保管するのは避けましょう。専用のラックや壁掛け用フックなどを利用すると、安全に保管できます。


鉄板の特性に合わせた保管方法を実践することで、長く良好な状態を維持できます。

スキレットやステーキ皿の場合

スキレットやステーキ皿も鉄製であるため、錆対策が重要です。


使用後は温水で汚れを落とし、すぐに火にかけて水分を完全に飛ばします。その後、全体に薄く油を塗って錆びを防ぐのが基本です。


保管時には、通気性の良い場所を選び、湿気がこもらないように心掛けましょう。また、スキレット同士は重ねると錆びの原因になってしまうため、重ねずに保管しましょう。


適切な手入れと保管で、スキレットやステーキ皿を長く愛用できます。

鉄板テーブルをお探しなら『山岡金属工業』がおすすめ!

高品質な鉄板テーブルをお求めの方には、『山岡金属工業』がおすすめです。同社の製品は耐久性とデザイン性に優れ、多くの飲食店で採用されています。


ここでは、山岡金属工業の鉄板テーブルを2つ紹介します。

ガス客席鉄板焼器

『ガス客席鉄板焼器』は、厚みのある鉄板を採用し、食材を均一に美味しく焼き上げることができる鉄板テーブルです。標準で9mmある鉄板の厚さにより熱容量が大きく、蓄えた熱を逃がしにくい性質を備えています。


また、ガス火力を直感的に調整できるスマートコントローラーを搭載しており、調理中でも簡単に温度管理が可能です。さらに、安全性にも配慮し、立消え防止装置や保護カバーを装備しています。


このガス客席鉄板焼器は、「低輻射型ガス厨房機器認証製品」として認定されており、調理時に発生する排熱を鉄板中央部に集中させることで、周囲への熱放射を抑え、快適な食事環境を提供することが可能です。


また、日本ガス機器検査協会による製品認証と防火性能評定を取得しているため、安全面においても信頼性が高いです。
操作性と安全性を兼ね備えたガス客席鉄板焼器は、多くの飲食店で愛用されています。

電気客席鉄板焼器

『電気客席鉄板焼器』は、優れた温度コントロール性能を持ち、一定の温度を保ちながら調理が可能です。


独自開発の高効率ヒーターを搭載し、鉄板加熱性能が高く、調理時間の短縮と省エネ効果が期待できます。温度調整はダイヤル式で簡単に行え、120℃から250℃の範囲で細かな設定が可能です。


さらに、漏電防止装置や保護カバーを標準装備しており、安全性にも優れています。鉄板サイズや仕上げの選択肢も充実しており、店舗ごとのニーズに柔軟に対応できます。

まとめ

鉄板を長く使用するためには、適切な保管方法とメンテナンスが不可欠です。使用後は丁寧に清掃し、水分を完全に拭き取った後、薄く油を塗布することが基本です。


短期保管では湿気を避け、長期保管の際は湿気対策はもちろん、定期的な状態確認が重要です。


焦げ付きや錆びには迅速に対処し、鉄板の種類や形状に応じた保管方法を実践しましょう。適切な道具と油の選択も鉄板の寿命を延ばすポイントです。


これらの方法を実践することで、鉄板を常に最高の状態で維持し、料理の品質向上にもつながります。


高品質な鉄板テーブルをお求めの方には、『山岡金属工業』の製品がおすすめです。同社のガス・電気客席鉄板焼器は、優れた温度制御と安全性を備え、多くの飲食店で採用されています。


鉄板テーブルの他にも、鉄板焼カウンターや無煙ロースターなど多彩な製品ラインナップを揃えていますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。


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