コラム
無煙ロースターの煙の処理方法とは?ダクトの種類やおすすめ商品を紹介
Article9
無煙ロースターは、肉や野菜、魚介を焼く際に発生する煙や臭いの広がりを抑え、快適な食事環境を提供する調理機器です。
この記事では、無煙ロースターの特徴や煙の処理方法について解説しています。また、異なるタイプの無煙ロースターの特徴をはじめ、煙の処理を補助する装置、ダクトの種類、煙がうまく排出されない場合の対処法など、実用的な情報も紹介します。
無煙ロースターの煙の処理について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
無煙ロースターとは
無煙ロースターは焼肉などを調理する際に発生する煙や臭いの室内への広がりを効果的に抑制する専用の調理機器です。
従来のロースターとは異なり、煙を吸い込み処理する特殊な設計によって煙の拡散を最小限に抑え、快適な食事環境を提供します。
主な特徴は、効果的な排煙システム、油煙の発生を抑える構造、そして食材の美味しさを引き出す加熱方式です。発生した油煙を即座に吸引し、排気ダクトを通じて排煙する方式が一般的です。
無煙ロースターを導入すれば、店舗の環境が大きく改善され、より快適な焼肉を楽しめます。
無煙ロースターの特徴
ここでは、無煙ロースターの特徴について解説します。
排煙機能
無煙ロースターの排煙機能は「無煙」を実現するために欠かせないものです。食材から出た油が高温熱源に接触して発生した煙を、焼き面直近の吸い込み口から素早く吸引するシステムにより実現されています。
丸型の場合、吸い込み口は焼き面の側方のほぼ全周に開口され、煙は下方に引き込まれます。角型では吸い込み開口が長辺方向に限られることがありますが、性能に大差はありません。
吸引された煙はグリスフィルター等で除去され、防火ダンパーを経由して、ダクトから屋外に排出されます。食材から落ちた油は水を張った水槽に集められ、回収が容易になると共に水冷によって着火が抑えられます。
防火ダンパーは万が一、焼き網上の油が発火して火が機内に引き込まれた場合に自動的に閉じ、火がダクト内に侵入し、ダクト内に滞留した油に延焼してダクト火災になるのを防止します。
煙の広がりが抑えられるため、店内の空気が清浄に保たれ、お客様の衣服への臭い付着を最小限に抑制可能です。結果、快適な食事体験が実現し、店舗の雰囲気が向上します。
火起こし方法
無煙ロースターの火起こし方法は、従来の七輪などと比べて格段に簡素化されています。多くの無煙ロースターは電気やガスを熱源としているため、スイッチひとつで簡単に点火が可能です。
炭を使用するタイプでも、機器内で火を付けられるよう設計されており、事前準備の手間が大幅に削減されます。簡単な火起こし方法により、店舗スタッフの作業効率が向上するため、利用客への迅速なサービス提供が可能です。
メンテナンス性
無煙ロースターのメンテナンス性は使用者にとって重要です。従来のロースターと比較すると、煙や油煙の発生が抑えられるため、天井や壁、床の汚れが少なくなります。これにより、店舗内の日常的な清掃の手間を大幅に軽減できるでしょう。
一方で、本体内部の清掃は日常的に必要です。多くのモデルではプレートや水槽、グリスフィルターが取り外し可能で水洗いができるように、使いやすい設計が採用されています。
ただし、防火ダンパーの作動確認やダクト内の清掃は、取扱い説明書などに記載された間隔で、確認を行い場合によってはメーカーや専門業者に依頼する必要がありますが、定期的なメンテナンスにより、機器の性能を長期間維持できる点も魅力といってよいでしょう。
無煙ロースターは適切なメンテナンスを行うことで、安全かつ衛生的で効率的な調理環境を維持できるほか、長期的な運用コストの削減が可能になります。
無煙ロースターの煙の処理方法
無煙ロースターの煙の処理方法は、ダクト式とノンダクト式によって異なります。ここでは、それぞれの煙の処理方法について解説します。
ダクト式
ダクト式無煙ロースターは煙を効率的に排出する構造を採用し、発生した煙が広がる前に、排気ダクトを通じて屋外に排出する仕組みです。
最大の特徴は強力な排煙能力をもっている点です。店舗内に排気ダクトを配管し、ロースターと屋外の排気ファンをダクトで接続しています。
煙は焼き台の周りに開口された吸気口から下方違和感され、グリスフィルターで油が分離され、防火ダンパーを通過した後、床下に設置されたダクトを通って外部へ排出されます。
ダクト方式は大規模な焼肉店や業務用途に適しており、調理面が丸形や角型で焼網やロストルのバリエーションがあります。
また、卓上型やテーブル組み込み型の焼肉ロースターの直上に吸い込みフードを設置して上引きフードタイプを構成することも可能です。このタイプは「無煙ロースター」とは言わず、「上引きフード」「上引きダクト」といわれる場合もあります。いずれのタイプかは店舗の設計や要望に応じて選択できます。
ノンダクト式
ノンダクト式無煙ロースターはダクトを使用せずに機器本体で煙や臭い対策する方式で主に以下の2つのタイプがあります。
- 機器内部にフィルターを搭載し、煙を濾過・吸着して煙や臭いを軽減するタイプ
- 焼面の温度を150℃前後に設定して煙の発生を抑制するタイプ
法令などに則していて条件が整えば、初期のダクト工事は不要ですが、ダクト式に比べて煙や臭いの処理能力は低い場合が多く、機器の構造が複雑なものが多いので、客席に多数のロースターを設置する焼肉店では全体給排気設計、機器のメンテナンス性に注意が必要です。
煙の処理を補助する装置
ここでは、煙の処理を補助する消煙装置と消臭装置について解説します。
消煙装置
消煙装置は無煙ロースターの排煙効果をさらに高める重要な補助装置です。ダクトを通じて外部に排気する前に煙を通過させ、効果的に煙を除去します。
主な機能は油分を含んだ重い煙を集塵セルに通過させ、煙を消すことです。
消煙装置を導入すれば、無煙ロースターの性能が補完され、より効果的な煙の処理が実現します。
とくに大規模な店舗や煙の発生量が多い場合には、消煙装置の導入がおすすめです。結果として、お店にとってのお客様でもある近隣への環境配慮にもつながるでしょう。
消臭装置
消臭装置は無煙ロースターの性能を補完し、臭いを効果的に軽減する重要な役割を果たします。様々な種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、中和消臭剤方式と脱臭フィルター方式について説明します。
中和消臭剤方式は取り付けが簡単でコンパクトな設計が特徴です。後付け設置も容易なものもあり、定期的な消臭剤交換とフィルター清掃で済むため、メンテナンスが簡単と謳われています。
一方、脱臭フィルター方式は排気ダクトの末端に設置され、触媒や吸着剤を使用して8割から9割程度の高い脱臭効果を発揮すると謳われています。とくに脱臭性能を重視する場合におすすめです。
消臭装置を導入すれば、無煙ロースターの性能が補完され、より効果的な臭いの処理が実現します。とくに大規模な店舗や、煙やにおいの発生量が多い場合は消臭装置の導入がおすすめです。
結果として、お店にとってのお客様でもある近隣への環境配慮にもつながるでしょう。
無煙ロースターのダクトの種類
ここでは、無煙ロースターのダクトの種類による違いについて解説します。
下引きタイプ
下引きタイプは、無煙ロースターの煙処理方法として効果的な方式です。ロースターから発生した煙を直接下引きダクトに取り込み、大能力のファンを用いて店舗の外部へ排出します。
ダクトは通常、床下に配管されているため、店内の雰囲気をすっきりと保てるのが特徴です。ただし、床がダクトを通す分だけ高くなるので階高が必要になり、設計段階での考慮が必要になります。
メリットは煙を発生直後に効率的に捕集して外部に排出するため、店内への拡散を最小限に抑えられることです。また、床下にダクトを設置すれば、広々とした空間演出が可能になります。
下引きタイプは大規模な焼肉店や、煙の処理を重視する店舗に最適です。ただし、初期設置コストが比較的高くなる傾向があるため、導入時には長期的な運用を考慮した判断が必要になります。
適切に設計・施工された下引きダクト接続タイプを導入できれば、快適な食事環境と効率的な店舗運営を両立させられるでしょう。
上引きタイプ
上引きタイプは、テーブル組み込み型ロースターや卓上ロースターごとに排気ダクトを直上に設置し、組み合わせて無煙化する方式です。排気のダクトフードが天井から多数吊り下げられるので、視覚的な特徴をもちます。
特徴は煙の自然な上昇気流を利用して排煙できる点で、フードには機能部品としてグリスフィルターや防火ダンパーが組み込まれ、傘型や箱型に成形されて色々なデザインがあり、多くの焼肉店で採用されています。
また、照明付きのフードを使用すれば、客席を照らす演出効果も得られ、店内の雰囲気づくりに一役買います。
上引きフードタイプは無煙システムの中では比較的低コストで運用できる場合があるほか、下引きタイプより機器の清掃が簡単な場合が多いです。ただし、天井高が必要となるため、店舗の設計段階での考慮が必要になります。
店舗の雰囲気作りと効果的な排煙を両立させたい場合には、最適な選択肢といえます。
ノン・ダクト
ノンダクト式無煙ロースターはダクトを使用せずに機器本体で煙や臭い対策する方式で主に以下の2つのタイプがあります。
- 機器内部にフィルターを搭載し、煙を濾過・吸着して煙や臭いを軽減するタイプ
- 焼面の温度を150℃前後に設定して煙の発生を抑制するタイプ
法令などに則していて条件が整えば、初期のダクト工事は不要ですが、ダクト式に比べて煙や臭いの処理能力は低い場合が多く、機器の構造が複雑なものが多いので、客席に多数のロースターを設置する焼肉店では全体給排気設計、機器のメンテナンス性に注意が必要です。
ダクト設備を設置できないなどの場合にはノンダクト式も選択して良いでしょう。
煙がうまく排出されない原因と対処法
ここでは、煙がうまく排出されない原因と対処法について解説します。
煙の排出がうまくいかない原因
煙の排出がうまくいかない主な原因は、無煙ロースターやダクトの清掃不足です。具体的にはグリスフィルターの目詰まり、機器やダクト内部の油脂や食材片の蓄積、風量調整ダンパーの開度不足、排気ファンの性能低下などが挙げられます。
フィルターが目詰まりすると煙をうまく捕集できなくなり、店内に煙が溢れ出る可能性が高まります。機器内部やダクト内部に油脂や食材片が蓄積した場合も同じです。
風量調整ダンパーの開度レバーは、清掃やメンテナンス時に動く可能性があります。ひとつのロースターの調整ダンパーを調整すると他のロースター全体の排気量に影響が出ます。ロースターごとの排出にバラツキが出て気になるときは、メーカーや専門業者に確認しましょう。
排気ファンの性能が低下には、ファンの羽が汚れて性能低下する場合や付属する金網などが目詰まりしている場合があります。こうなると十分な吸引力が得られず、必要な排気風量が確保できません。ファンの清掃・整備には専門知識が必要になりますので、専門業者に依頼しましょう。
これらの問題は定期的なメンテナンスや清掃を怠ると発生しやすくなるため注意が必要です。さらに機器や換気システム全体の経年劣化や不適切な使用方法も原因となる場合があります。
汚れが溜まったときの対処法
汚れが溜まった場合の対処法は、清掃とメンテナンスに集約されます。
まずはフィルターの清掃が重要です。無煙ロースターのグリスフィルターを取り外し、油汚れと煤を洗剤とお湯を使って丁寧に洗い落とします。
同時に水槽に溜まった油もきれいにしましょう。ロースター内部の油汚れは洗剤とお湯を使ってきれいにふき取りましょう。ダクトの清掃も必要で、取り外し可能な部分や点検口は取り外し、手の届く範囲は汚れを拭き取りましょう。
ただし、ダクト内部の奥まった箇所の清掃は専門業者に任せましょう。定期的なメンテナンスでダクト内の油脂を除いて、ダクト火災のリスクを軽減しましょう。
汚れを確認するときのチェックポイント
汚れを確認する際のチェックポイントは複数あります。
まずは焼肉ロースターやダクトの内部の油汚れの付着状況を確認します。定期的な清掃が行われていない場合、汚れが蓄積している可能性が高まります。
次に煙の吸い込みの強さをチェックします。吸引力が弱くなっている場合は、フィルターの目詰まりや排気ファンを含むダクト系統の汚れが疑われます。店内に煙や臭い熱がこもりがちかどうかも注意深く観察してください。
さらに店の外の排気口周りの油汚れ、ダクトの継ぎ目や点検口からの油漏れ、排気ファンの異音なども重要なチェックポイントです。
これらの項目に該当する場合、無煙ロースターやダクトに汚れが溜まっている可能性が高いため、早急な清掃やメンテナンスが必要になります。専門業者に点検や清掃、調整を依頼してください。
無煙ロースターをお探しなら『山岡金属工業』がおすすめ!
無煙ロースターの導入を検討している場合は、山岡金属工業の製品がおすすめです。赤熱板焼網タイプと角型ロストルタイプの2種類を取り扱い、ニーズに合わせた種類を選べます。
ここでは、2つの製品の特徴を紹介します。
赤熱板焼網タイプ
山岡金属工業の赤熱板焼網タイプ無煙ロースター(MDR-1441T)は、高性能と美味しさを追求した製品です。
強力な火力で赤熱板を加熱し、この熱により、食材を素早く焼き上げ、うま味を閉じ込められるのが魅力です。赤熱板は「切り起こし加工」により表面積が大きく、強力な輻射熱により食材本来の旨味を逃しません。
また、オプションで焼き面をロストルにも変更できるため、さまざまなメニューに対応できます。
赤熱板焼網タイプは、一般的にイメージされる本格的な焼肉店に適した無煙ロースターです。
角型ロストルタイプ
山岡金属工業の角型ロストルタイプの無煙ロースター(MDR-140)は、本格的な焼き上がりと使いやすさを両立した製品です。熱伝導性と蓄熱性のバランスが良い鉄製の本格プレートを採用しています。
また、火力調整が簡単にできる『スマートコントローラー』を標準装備し、食材に合わせて最適な火加減を選べます。
さらに、一般財団法人日本ガス機器検査協会によるガス機器としての第三者製品認証と、火災予防上安全な離隔距離認が確認された防火性能評定を受けており、快適で美味しい焼肉を実現するとともに、安全性の両立を果たした製品です。
角型ロストルタイプは、幅広いメニューを提供する焼肉店や効率的な運営を重視する飲食店に最適な無煙ロースターです。
上引フード
山岡金属工業の上引フードは狭い空間もスッキリと馴染むデザインで、固定タイプとスライド構造のタイプを取り扱っております。また、フードのヘッドもバリエーション豊富で、各種ロースターとの組み合わせが可能で、より幅広い用途に対応できます。
まとめ
ダクト式の無煙ロースターは快適な食事環境と美味しい焼肉体験を両立する優れた調理機器です。煙の処理方法には、上引きと下引きのダクト式がありますが特徴が異なります。
ダクト式はいずれも排気ダクトを通じて煙を屋外に排出する仕組みとなっており、店舗環境やデザイン、コストを考慮しながら、最適な煙の処理方法が可能な無煙ロースターを選びましょう。