コラム

無煙ロースターの仕組みとは?ロースターの種類や導入メリットを紹介

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無煙ロースターは焼肉店で人気の調理器具です。従来のロースターと異なり、煙や臭いの発生を抑える特殊な構造を持っています。

この記事では、無煙ロースターの基本知識や仕組み、種類、加熱方式の違い、導入するメリットについて解説しています。また、おすすめ製品として山岡金属工業が販売する無煙ロースターの特徴も紹介しています。

たしかな製品を選べば、煙や臭いの問題を解決できるため、快適な環境を実現可能です。
無煙ロースターの仕組みについて知りたい方はぜひ参考にしてください。

無煙ロースターの基本知識

無煙ロースターは焼肉などの調理時に発生する煙や臭いの拡散を効果的に抑制する調理器具です。従来のロースターとは異なり、煙の吸引設計により煙の広がりを最小限に抑えます。
ダクト式とノンダクト式の2種類があり主に使われるのはダクト式です。

ダクト式

ダクト式無煙ロースターは煙を効率的に排出する構造を採用し、発生した煙を排気ダクトを通じて屋外に排出する仕組みです。

特徴は煙を逃さない排煙能力をもっている点です。店舗内に排気ダクトを配管し、ロースターと屋外の排気ファンをダクトで接続しています。一般に、各ロースターの排気ダクトは幾つかのメインダクト系統にまとめられ、系統ごとに大能力を持つ1台又は2台の排気ファンで吸引されます。

具体的には、煙は焼き台の周りに開口された吸気口から下方に吸引され、グリスフィルターで油が分離され、防火ダンパーを通過した後、床下に設置されたダクトを通って外部へ排出されます。

ダクト方式は大規模な焼肉店や業務用途に適しており、調理面が丸形や角型で焼網やロストルのバリエーションがあります。

卓上型やテーブル組み込み型の焼肉ロースターの直上に吸い込みフードを設置して上引きフードタイプを構成することも可能です。
このタイプは「無煙ロースター」とは言わず、「上引きフード」「上引きダクト」といわれる場合もあります。いずれのタイプかは店舗の設計や要望に応じて選択できます。

ノンダクト式

ノンダクト式無煙ロースターはダクトを使用せずに機器本体で煙や臭い対策する方式で主に以下の2つのタイプがあります。

  • 機器内部にフィルターを搭載し、煙を濾過・吸着して煙や臭いを軽減するタイプ
  • 焼面の温度を150℃前後に設定して煙の発生を抑制するタイプ

法令などに則していて条件が整えば、初期のダクト工事は不要ですが、ダクト式に比べて煙や臭いの処理能力は低い場合が多く、機器の構造が複雑なものが多いので、客席に多数のロースターを設置する焼肉店では全体給排気設計、機器のメンテナンス性に注意が必要です。

無煙ロースターの仕組み

無煙ロースターの仕組みは煙を広がる前に吸引し、安全で清潔に処理するというコンセプトに基づいています。主な構成は、熱源と油の隔離、隔離した油の捕集、油を除去された煙の安全で効果的な排煙システム、そして食材を美味しく焼き上げる加熱装置からなります。

油煙は食材から直接発生するものと油脂が高温源に触れて発生するものとに分けることができます。油脂高温の熱源に油が落ちないように工夫されたバーナの隠ぺい構造や放射板の形状と焼き面の工夫によって、油煙の発生は最小限に抑えられています。

なお、落下した油は受け皿で、発火させることなく安全に貯留します。さらに発生を抑えられなかった煙も素早く吸引して、グリスフィルターで捕集します。

熱源にはガスや炭あるいは電気が用いられます。各熱源の特性や経済性、各加熱方式の特徴を活かして調理することができます。
ここでは、無煙ロースターの加熱の仕組みについて解説します。

煙の処理方法

無煙ロースターは、その仕組みによって煙の処理方法が異なります。
ダクト式では強力な排気ファンを使用して煙を屋外に排出するのが特徴です。排気ルートは定期的なメンテナンスが必要ですが、安定した排煙効果が得られます。

一方、ノンダクト式は本体内部で煙を処理するタイプです。ダクト式と比べて煙やニオイの電気集塵機やフィルターを用いて煙を吸着し、臭いの軽減が可能です。

いずれも発生した煙を素早く吸引できるため、室内への拡散を防げます。さらに一部の製品では消煙装置や消臭装置を追加することで、より効果的な煙と臭いの処理を実現しています。

加熱方式

無煙ロースターの加熱方式には、主に赤外線を用いた放射加熱と鉄板やロストルの熱伝導を用いた伝導加熱が用いられます。

ガスの場合は放射板やセラミックや溶岩などを加熱して赤外線放射で加熱するか、ロストルや鉄板を加熱して伝導方式で加熱します。

炭は直火ですが、赤熱した表面からの赤外線放射で加熱します。

電気はシースヒーターを発熱させて、その赤外線放射を用いたり、鉄板を加熱して伝導を用いたりして加熱します。家庭用機器ではカーボンランプヒーターで食材を加熱する方式もあります。

食材の仕上がりに直接影響するのは、食材への伝熱方式です。放射で加熱するか伝導で加熱するかですが、それ以前に火力が決定的に重要です。火力を適切に調節することで焦げや焼きムラを防ぎ、美味しく仕上げることができるでしょう。

このように熱源や加熱方式にはそれぞれ特徴があり、使用目的や環境に応じて選択する必要があります。

プレート設計

ロースターのプレートは美味しい焼き上がりを実現する重要な要素です。同時に、食材から発生する油を処理する機能を持たせている場合があります。

プレートに傾斜をつけたり特殊な溝を設けたりして、食材から出る油を熱源や機能部品に落とさず、水槽に落ちるように効率的に分離させています。熱源に油が直接触れることを防いで煙の発生を最小限に抑制し、バーナ等の機能部品や電装部品を油から守ります。

また、プレートの素材も重要です。蓄熱性や耐久性に優れた材料が適当で、鋳鉄や軟鋼が主に使用されています。家庭用等では軽量で取り扱いの楽なアルミが多く使われています。

プレートの形状や素材は食材の焼き上がりにも大きく影響するため、用途に応じて適切なタイプを選択する意識が必要です。

無煙ロースターの種類

ロースターの種類には、テーブル一体型と卓上型があります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

一体型

一体型の無煙ロースターはテーブルにロースターを組み込み一体化したビルトイン設計になっています。排気ダクトに接続して多くの焼肉店で採用されています。

メリットは安定性と使いやすさにあります。テーブルと一体化しているため、揺れたり移動したりするリスクが少なく安定して使用できます。また、テーブル設計の自由度も高く、大人数での利用や、店舗の雰囲気づくりにも貢献するでしょう。

一体型の無煙ロースターは専用設計の機器本体とあわせて、床下への排気ダクト配管を必要とするため、上引きの排気ダクトを使用するタイプと比べて初期投資が比較的高くなる傾向がありますが、室内環境を保ちながら長期的な使用を考える焼肉店には最適です。

卓上コンロ型

卓上コンロ型のロースターは、必要に応じてテーブルに設置して使用できるポータブルな形態が特徴です。ガスタイプや炭火を使用する七輪なども含まれ、柔軟性が高いのが魅力といえます。

メリットは使用しない時に片付けられることです。店舗スペースを有効活用でき、多目的な使用が可能になります。また、イベントでの使用にも最適です。

一方で、各器具に排気フード付きの上引きの排気ダクトを1対1対応で吊り下げないと、室内に煙が拡散・充満して、清浄な客席環境が保てません。

排気フード無しで卓上型ロースターを使えるのは、小規模な店舗や家庭用に限られます。その場合も全体換気は欠かせません。卓上型ロースターを選ぶ際は、使用頻度や店舗の運営スタイルを十分に考慮しましょう。

無煙ロースターの加熱方式の違い

ガス無煙ロースターの加熱方式は、輻射熱と伝導熱の2種類となります。輻射熱で加熱するタイプは焼網を用い、放熱板タイプ・溶岩石タイプ・セラミック炭タイプ、炭タイプがあり、伝導熱で加熱するタイプはロストルを用います。
ここではそれぞれの特徴について説明します。

ガス式放熱板タイプ

ガス式放熱板タイプは、ガスで放熱板を熱することによって発生する赤外線放射熱で食材を焼き上げます。赤外線を妨げないために、調理プレートには焼網が多く用いられます。

放熱板方式は火力も強く調節も容易なので、薄めの肉を手早く焼くのに適しています。
放射熱は表面を均等に焼き上げて食材の外側を硬化させ、食材のうまみを内部に閉じ込められるといわれています。

ガス放熱板式の焼肉ロースターは手軽に使えて、放熱板の手入れも簡単に行えるため、最も簡単で気軽に使えるタイプです。

ガス式溶岩石タイプ

ガス式溶岩石タイプは、天然の溶岩石をガスで熱することによって発生する輻射熱で食材を焼き上げます。自然の溶岩を使用することにより、遠赤外線を含む様々な波長構成の放射を発生できます。

溶岩は蓄熱性に優れており十分に熱が加わった溶岩石は強い輻射熱が期待できます。水分が多い食材を焼いて水が出たとしても、温度低下を抑えられ、ガスを使うことで火力維持も容易です。

炭は使うと無くなってしまいますが、溶岩石は使い減りが遅いため、エコやコストの観点からもメリットがあります。また、炭に比べて手間はかかりませんが、天然石のため内部にガスを含んでいることがあり、加熱時に跳ねる場合があります。そのため、あらかじめ加熱しておく必要があります。

ガス式セラミック炭タイプ

ガス式セラミック炭タイプは、ガスでセラミック製の人工炭を熱することによって発生する放射熱で食材を焼き上げます。

人工炭を用いることで、遠赤外線を含む放射を、溶岩タイプよりも安定して発生させます。セラミックは衝撃に弱いという弱点もあるため、取り扱いには注意しなければなりません。

ガス式ロストルタイプ

ガス式ロストルタイプは、焼き面にロストルと呼ばれるスリット付きの鉄板プレート用います。ロストルの材質は鋳鉄や軟鋼があり、形状は燃焼排気の通るスリットや焼き面に凹凸が施され、食材から出た油を流す勾配や溝が付けられたものもあります。

ロストルの上に乗せられた肉は、焼き面からの伝導伝熱でゆっくり加熱され、内部まで火が通ります。さらに食材を載せたときにもその蓄熱性で温度低下が少なく安定した温度で焼くことができ、きれいな焼き目が入ることが特徴です。

もちろん、スリットや溝で食材の余分な油を落とすことで、焼き網と同様にヘルシーに焼き上がります。ただし、鋳鉄製のロストルは鋼板製に比べて脆いので、丁寧な扱いが必要です。

更には、ガスの青火で燃焼できることやロストルの形状との組み合わせで、バーナ等の機能部品をある程度隠ぺいして配置することができ、機器本体を油からの保護や高温部からの発煙を抑えることができます。

ガス式炭火焼タイプ

ガス式炭火焼タイプは、実際の発熱体となる炭に火がつくまでガスで熱し、そのあとは炭で食材を焼き上げていきます。

炭火焼の味わい・雰囲気を楽しめる七輪にもっとも近いタイプの焼肉ロースターです。

また、ガス式炭火焼タイプは備長炭を用いた場合、食材に香ばしい風味をつける効果もあり、ガス式炭火焼タイプならではのメリットになっています。

無煙ロースターを導入するメリット

ここでは、無煙ロースターを導入するメリットについて解説します。

臭いを軽減できる

無煙ロースターは焼肉特有の強い臭いを大幅に軽減できます。通常の焼肉では、煙と油分が空気中に漂い、店内や衣服に臭いが付着しがちです。とくに脂身の多い部位やタレ付きの肉を焼く際はこの問題が顕著になります。

一方、無煙ロースターは煙や油分を効果的に除去した後に、ダクトを通じて外部に排出可能です。店内の空気が清浄に保たれ、衣服への臭い付着も最小限に抑えられるでしょう。
結果、快適な食事環境を提供できるため、顧客満足度の向上につながります。

空調のランニングコストを軽減できる?

無煙ロースターは通常排気ダクトに直接接続され、油煙は下方に排気されます。一方、通常のロースターでは排気フードを器具ごとに吊り下げて排気ダクト経由で排気します。

下引き方式では、高温の油煙の浮力に逆らって下方に引き込む必要のあることから、理論的には、上引き方式より大量の排気量を必要とします。しかし、焼面から吸煙口までの距離や、冷暖房の気流などの様々な要因で排気量が決まります。

個別にロースターを発停させる場合でも、集合ダクトの場合は、排気を個別に入り切りすることはできません。同じダクト系統中の一台でも運転されている場合は、排気は100%行われることになります。ロースターの発停に合わせて排気を入り切りすることも技術的にできなくはありませんが、高度の制御が必要で設備費がかさみます。

空調の換気負荷とは、排気する風量と同量の風量を屋外から導入する場合の屋外空気を室内の必要温度に増減するための熱量ですから、排気量に比例して増大します。

きちんと換気設計がされて風量が維持されている場合は、室内に漏れ出る煙やそれに伴う熱は無視できる程度ですから、下引きが不利になる場合もあります。とは言え、個別のフードを用いずに、全体換気を用いて室内の環境を維持しようとする場合には、無煙ロースターの換気負荷よりもはるかに大きくなることは十分に考えられます。

無煙ロースターは、室内環境を清浄かつ安定して維持しながら調理を楽しむ調理器具です。無煙ロースターを導入する際には、それに見合った空調料金を負担することはやむを得ないでしょう。

汚れを抑制できる

無煙ロースターの導入は店内の汚れを効果的に抑制できます。

従来のロースターでは調理時に発生する油煙がテーブルの周囲だけではなく、壁や天井にまで付着し、べたつきの原因となっていました。床に付着すると滑って転倒する危険さえあります。これは熱せられた脂が霧状になって空気中を漂うオイルミストの付着によるものです。

しかし、無煙ロースターはオイルミストが空気中に拡散する前にダクトから吸い取るため、店内の汚れを大幅に軽減できます。結果、テーブル周りや床、壁、天井の油汚れが減少し、清潔で安全な店内環境を維持しやすくなります。

掃除がしやすい

無煙ロースターを導入すれば、店内の掃除が格段に容易になります。

従来のロースターは煙や油分が店内全体に広がるため、壁や床、天井、家具など広範囲の清掃が必要でした。しかし、無煙ロースターは煙や油分を飛散する前に捕集するため、汚れの範囲が限定され、日常的な清掃作業を大幅に軽減できます。

無煙ロースターでは煙や油分がダクトに集中するため、清掃箇所が明確です。これにより、スタッフの清掃時間を短縮できるため、労力の削減につながるでしょう。ただし、機器内部や、ダクト内の日常及び定期的な点検を怠ると故障や火災の原因となるため特別の注意が必要です。

無煙ロースターをお探しなら『山岡金属工業』がおすすめ!

山岡金属工業では、高品質な無煙ロースターを取り扱っており、さまざまな飲食店のニーズに対応できます。
ここでは、山岡金属工業で取り扱う赤熱板焼網タイプと角型ロストルタイプ、2種類の無煙ロースターの特徴を紹介します。

赤熱板焼網タイプ

山岡金属工業の赤熱板焼網タイプの無煙ロースター(MDR-1441T)は、高性能と美味しさを追求した製品です。ガスの強火力で赤熱板を加熱し、スピーディーに美味しく食材を焼き上げます。
赤熱板は「切り起こし加工」により表面積が大きく、強力な輻射熱により食材本来の旨味を逃しません。

さらにオプションにはロストルがあり、多くのメニューに対応した調理が可能です。

赤熱板焼網タイプは、本格的な焼肉店や高品質な料理にこだわる飲食店に適しています。効率的な加熱と美味しさの追求を両立させたい店舗には、理想的な選択肢となるでしょう。

角型ロストルタイプ

山岡金属工業の角型ロストルタイプの無煙ロースター(MDR-140)は、本格的な焼き上がりと使いやすさを両立した製品です。熱伝導性と蓄熱性のバランスの良い鉄製の本格プレートを採用しています。

このプレートは熱を効率的に食材に伝え、均一な焼き上がりを実現可能です。また、強力なガスの直火と相性が良く、食材を美味しく焼き上げられます。

角型ロストルタイプは幅広いメニューを提供する焼肉店や、効率的な運営を重視する飲食店に最適です。使いやすさと本格的な味わいを求める店舗にとって最適な選択肢となるでしょう。

上引きフード

山岡金属工業の上引きフードを活用すれば、卓上コンロやテーブル一体型ロースターと組み合わせて、煙や臭いを効果的に抑えられます。さらに、店舗のレイアウトやデザインに合わせて、ロースターと上引きフードを組み合わせることで、店内の雰囲気を一層魅力的に演出できます。

また、山岡金属工業では上引きフードと組み合わせる卓上、テーブル一体型ロースターや七輪ロースターなども多数ラインアップしております。

まとめ

無煙ロースターは飲食店や家庭での焼肉体験を大きく向上できる便利な調理器具です。その仕組みや種類、加熱方式の違いを理解すれば、最適な製品選びができます。

導入を検討する際は店舗の特性や顧客ニーズを十分に考慮し、最適な製品を選びましょう。適切な製品を導入できれば、快適な食事環境の提供と効率的な店舗運営を実現できます。

お客様へ快適な環境で焼肉を提供したい方は、ぜひ山岡金属工業の無煙ロースターをご検討ください。

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