コラム

鉄板で肉が美味しくなる理由とは?焼く際のメカニズムや料理の幅を広げる知識

鉄板が持つ特性により、鉄板で焼いた肉は美味しく仕上がります。
鉄板で肉を焼くと、なぜ美味しくなるのか疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、鉄板によって肉が美味しくなる理由について詳しく解説します。

鉄板料理が美味しい理由とは

鉄板料理の魅力は、食材が焼き上がったときの美味しさにあります。
ここでは、鉄板料理が美味しい理由について詳しく解説します。

鉄板の特性

鉄板の最大の特徴は、その優れた熱容量と好適な熱伝導率です。


鉄は比較的安価な素材なので、厚みを増やせば容易に熱容量を大きくできます。


熱容量の大きいことは一度温まると冷めにくいことを意味し、熱伝導率が好適なことは熱が必要な調理範囲に一様に広がることを指しています。


この特性により、食材を均一に加熱することができ、ムラのない仕上がりを実現します。


重要なのは、食材への伝熱は加熱面の温度のみで決まるという点です。鉄板の優れた熱容量により、食材を乗せても表面温度が急激に下がることがありません。


したがって、肉を焼く際に重要なメイラード反応を持続させ、香ばしい風味と美味しい焼き色を実現できます。

均一な加熱がもたらす美味しさ

鉄板の均一な加熱は、料理の美味しさに大きく貢献します。


通常のフライパンや網焼きでは、熱源の直上部分が特に熱くなり、加熱にムラが生じやすくなります。


鉄板は比較的全体が均一に熱せられ、食材全体を同じ温度で調理できるため、肉の場合は外側から内側まで理想的な焼き加減で調理することが可能です。


また、野菜や魚介類も均一に火が通るため、素材本来の味と食感を最大限に引き出せます。

鉄板の厚さと美味しさの関係

鉄板の厚さは、料理の美味しさに直接影響します。熱容量は鉄板の厚みに比例して増大し、温度を安定させるように働きます。


厚い鉄板は熱の分布も均一になるため、大量の食材を同時に調理する際にも、全体を均等に焼き上げることが可能です。


また、厚い鉄板は温度が安定しており、無理に温度を上げる必要が無いため、食材の表面を焦がさずに中心まで熱を伝えて芯温を上げることができます。

鉄板で肉を焼く際のメカニズム

鉄板で肉を焼く際には、様々な化学反応や物理的な変化が起こっており、これらのプロセスが、鉄板焼きの肉を美味しくします。
ここでは、鉄板で肉を焼く際のメカニズムについて詳しく解説します。

メイラード反応

メイラード反応は、タンパク質と糖が高温で結合することで起こり、独特の香ばしい香りと褐色の色素を生み出します。


鉄板の高温と熱分布は、このメイラード反応を促進するのに最適な環境を提供します。


肉の表面が約140~154℃以上に加熱されるとアミノ酸と還元糖が反応し、数百種類もの香り成分が生成され、鉄板焼きの肉特有の食欲をそそる香りと味わいが生まれます。

旨味成分の閉じ込め効果

鉄板焼きの魅力の一つは、肉の旨味を効果的に引き出すことができる点です。


高温の鉄板により、肉の表面温度を素早く上昇させてメイラード反応を促進し、肉の風味を引き出します。特に厚い鉄板を使用すると、この効果がより顕著になります。


肉の内部温度が緩やかに上昇するためタンパク質の変性が均一に進み、ジューシーで柔らかい食感を実現することが可能です。

鉄板の選び方と手入れ方法

美味しい鉄板料理を作るためには、適切な鉄板の選択と正しい手入れが欠かせません。
ここでは、鉄板の選び方と手入れ方法について詳しく解説します。

理想的な鉄板の厚さと素材

理想的な鉄板を選ぶ際、最も重要なポイントは厚さと素材です。一般的に、6mm以上の厚さがあれば最小限の熱容量を確保でき、安定した温度を維持できます。


素材に関しては軟鋼が最適で、これらの素材は熱伝導率が好適で、均一な加熱が可能です。


耐久性も高いため長期間使用でき、使用するほどに油が馴染み、独特の風味を生み出すことができます。


ステンレス製の鉄板は錆びにくいですが、熱伝導率が低いため軟鋼ほど理想的な焼き上がりは期待できません。


また、鉄板のサイズは使用する人数や調理器具に合わせて選択することが重要です。

鉄板のシーズニング方法

新しい鉄板を使用する前には、必ずシーズニングを行う必要があります。シーズニングとは鉄板の表面に油膜を作り、錆びを防ぎ、非粘着性を高める処理のことです。
シーズニングの手順は以下の通りです。

  1. 鉄板の汚れをとる
  2. 鉄板をゆっくり加熱する
  3. 高温になりすぎないように注意しながら食用油を塗り、しばらくしたら拭き取る
  4. 3の作業を数回繰り返す
  5. 鉄板をさらに少し加熱して、少し多めに食用油を塗り野菜くずを炒める
  6. 5の作業を2、3回繰り返す
  7. 最後に適量の食用油を塗って自然冷却する

シーズニングにより鉄板表面に油の層が形成され、鉄板を守る保護膜となります。この作業により、鉄板を長持ちさせる、焦げ付きや錆びを防ぐ、鉄板の匂いが料理に移るのを防ぐ、などの効果を得られます。

日常のメンテナンスと長期保存のコツ

鉄板の日常のメンテナンスは、美味しい料理を作り続けるために不可欠です。適切なメンテナンスにより鉄板の寿命を延ばし、常に最高の状態で使用することができます。


鉄板使用後の基本的なメンテナンス方法は以下の通りです。

  1. 鉄板が温かいうちに、金属製のヘラやスクレーパーで鉄板の汚れを取る
  2. 取った汚れを拭き取る
  3. 鉄板が冷めていたら少し加熱して食用油を薄く均一に塗る
  4. 3の作業を数回繰り返すと効果的

メンテナンスで水を使用する際は必要最小限にとどめ、水が機器内部に浸入してトラブルを起こさないように注意しましょう。
長期保存の際は乾燥した場所に保管し、定期的に油を塗り直すことが重要です。

湿気の多い場所での保管は避けて保存しましょう。使用頻度が低い場合でも定期的に加熱して油を塗ることで、錆びを防いで良好な状態を維持できます。


鉄板の端や取っ手部分は特に錆びやすいため、これらの部分にも注意を払ってメンテナンスすることが大切です。


定期的なチェックと適切なケアにより、鉄板は長年にわたって美味しい料理を作り続けることができる調理器具となるでしょう。

鉄板での肉の焼き方

鉄板で肉を美味しく焼くためには、単に高温で焼くだけではなく適切な技術と知識が必要です。
ここでは、鉄板での肉の焼き方について詳しく解説します。

肉の最適な焼き方

鉄板で肉を最適に焼くためには、肉の種類と厚さに応じた焼き方で調理することが重要です。


ただし、肉の最適な焼き方は調理人によっても変わりますが、一般的には薄切りの肉は高温で短時間、厚切りの肉は中温でじっくりと焼くのが基本となります。


ステーキの場合、まず高温で表面をシーリングし、その後中温に下げてじっくりと焼き上げることで、外はカリッと、中はジューシーな仕上がりになります。


また、冷たい肉を焼くと中心部まで熱が通りにくくなるため、焼く前に肉を室温に戻すことも重要です。さらに、焼いている間に頻繁に肉を動かすと肉汁の流出を招くため、注意しましょう。

温度管理のコツ

鉄板での肉焼きにおいて、温度管理は非常に重要です。


理想的な温度は肉の種類や厚さによって異なりますが、一般的にステーキの場合、初めは230~250℃程度の高温で表面をシーリングし、その後180~200℃程度に下げてじっくりと焼き上げます。


温度計を使用すると正確な温度管理が可能ですが、経験を積むと鉄板の色や肉の焼け具合から適切な温度を判断できるようになります。


また、鉄板の温度は場所によって異なることがあるため、注意が必要です。適切な温度管理により、肉の旨味を最大限に引き出し、理想的な焼き加減を実現できます。

焼き時間と休ませ時間の調整

肉を美味しく焼くためには、適切な焼き時間と休ませ時間の調整が重要です。


焼き時間は肉の厚さや希望の焼き加減によって異なり、肉の種類や鉄板の温度によっても変わるため、経験を積んで自分なりの感覚を掴むことが大切です。


焼き上がった後の休ませ時間も非常に重要で、肉を鉄板から取り出した後に数分休ませることで熱が中心にまで伝わり、より美味しく安全な仕上がりになります。

鉄板料理の幅を広げる知識

鉄板料理は肉だけでなく、様々な食材を美味しく調理することができます。
ここでは、鉄板料理の幅を広げる知識を紹介します。

野菜の鉄板焼きの魅力

鉄板焼きは野菜の美味しさを引き出すのに最適な調理法です。


野菜から水分が出ても鉄板の大きな熱容量が温度低下を抑えるため、素早く調理することができ、野菜本来の甘みと色合い、食感を保ちながら、香ばしさを加えることができます。


さらに、鉄板で焼いた野菜は肉や魚との相性も抜群で、メインディッシュの付け合わせとしても最適です。


季節の野菜を使用することで、年間を通じて様々な味わいを楽しむことができるのも鉄板焼き野菜の魅力の一つです。

海鮮鉄板焼き

鉄板は海鮮料理にも適した調理器具です。熱伝導率の高い鉄板で均一な温度で加熱できるため、加熱ムラや焼きムラが抑えられます。


魚介類を鉄板で焼く際は、火の通りやすさに注意が必要です。過度に加熱すると身が固くなってしまうため、素材に応じた適切な焼き時間を守ることが重要です。


また、海鮮は鉄板への接触面が大きくなるように、切り身やむき身にすることが適切です。接触面の小さいエビなどは蓋をして調理すればムラなく焼き上げることができます。

鉄板の麺料理

鉄板は麺料理の調理にも適しており、焼きそばや焼きうどんなどは、鉄板の特性を活かした代表的な料理です。


鉄板の高温と均一な熱分布により麺全体に香ばしさが付き、具材の旨味が麺に絡みやすくなります。


また、鉄板の広い面積を活用することで、大量の麺を一度に調理することができ、パーティーや大人数の食事にも適しています。

美味しく焼ける鉄板テーブルなら『山岡金属工業』がおすすめ!

鉄板料理の美味しさは、使用する鉄板の品質に大きく左右されます。高品質な鉄板テーブルを探しているなら、『山岡金属工業』の製品がおすすめです。


ここでは、山岡金属工業が提供している鉄板テーブルを2つ紹介します。

ガス客席鉄板焼器

山岡金属工業の『ガス客席鉄板焼器』は、厚さ9mm(W1200タイプは12mm)の厚板鉄板で食材を美味しく焼き上げる鉄板テーブルです。


また、低輻射型ガス厨房機器認証製品として、調理時に発生する排熱を鉄板中央部に集中させ、喫食時の熱さを軽減します。


鉄板サイズは鉄板は450・600・900・1200mmの4種類、表面仕上げは黒皮とミガキの2種類をラインアップし、様々な店舗レイアウトに対応します。


視認性に優れたスマートコントローラーで火力調整が容易で、立消安全装置や保護カバーにより安全性にも優れた製品です。さらに、日本ガス機器検査協会の製品認証と防火性能評定を取得しています。

電気客席鉄板焼器

山岡金属工業の『電気客席鉄板焼器』は、ガスタイプと同様の厚板鉄板を採用しており、優れた温度コントロール性能が特長です。


新開発の高効率電気ヒーターユニットにより、鉄板加熱性能を大幅に向上させ、省エネとオペレーション向上に貢献します。


ダイヤル式温度コントローラーと2段ディスプレイを採用し、120℃~250℃の範囲で1℃毎の温度設定が可能です。


鉄板サイズと表面仕上げのバリエーションも豊富で、漏電安全装置や保護カバーなど安全性にも配慮した設計となっています。

まとめ

鉄板料理が美味しいのは、鉄板の高い熱容量と均一な熱分布が食材を適切に焼き上げ、メイラード反応を促進し、旨味を閉じ込めるからです。


また、美味しい鉄板料理には適切な鉄板の選択と手入れが欠かせません。厚さ6mm以上の軟鋼製の鉄板が理想的で、シーズニングや日常のメンテナンスが重要です。


肉を焼く際は、肉の種類や厚さに応じた温度管理と焼き時間の調整を行い、焼き上がった後の休ませ時間も重要なポイントとなります。


高品質な鉄板テーブルを探すなら、『山岡金属工業』の製品がおすすめです。


厚板鉄板と喫食環境を快適にする低輻射型のガスタイプと優れた温度コントロール性能を持つ電気タイプの鉄板焼器を提供しており、安全性にも配慮された設計となっています。


美味しい鉄板料理を提供したいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
⇒お問い合わせ

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