コラム
焼肉はガスと炭火どっちがいい?それぞれのメリット・デメリットを解説
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焼肉で使用する熱源には、ガス火や炭火があります。
熱源は焼肉の仕上がりを左右する重要な要素であり、「どちらの方が美味しく焼けるのか気になる」という方もいるでしょう。
炭火の方が美味しいという方もいれば、美味しい焼肉店ではガスを使っているところも多いという方もいます。
この記事では、焼肉はガスと炭火どちらがいいのか、それぞれのメリットやデメリットを、科学的な視点も踏まえながら紹介します。
ガスで焼肉するメリット
焼肉にガスが使われるようになったのは高度成長期に入った頃からであり、ガスの出現によって焼肉がより身近なものになりました。
ここでは、ガス火で焼肉するメリットを紹介します。
自分好みに焼ける
焼肉をガス火で行うメリットは、火加減を調整しながら、自分好みに焼けることです。
肉をどんどん食べたいときには強火にして効率よく焼き、友人や家族との会話を楽しみながら焼きたい場合は火力を下げてじっくり焼くことができます。焼き面も、焼網のほか、ロストルや鉄板など、好みの焼き面が選択可能です。
食材によって「強火」「中火」「弱火」といった、火加減を使った焼き方ができるのがガス火の最大のメリットです。
ニオイが気にならない
ガス火は炭火よりも、ニオイを気にせず焼肉を楽しめるメリットもあります。
焼肉のニオイは脂と水蒸気が混じった煙であり、空気中を漂って壁やカーテンに染みつき、髪の毛や洋服のニオイの原因にもなります。
煙は食材から直接発生する場合のほか、落下した油が赤熱した高温部分に落下した際にも発生します。ガスの場合は高温部分に油脂が滴下しないように工夫されたものがありますが、炭火は直火の放射加熱ですから、避けようがありません。
焼肉特有のニオイは灰にも含まれていますが、ガス火の場合だと灰が発生しないため、炭火よりもニオイが抑えられるでしょう。
焼肉独特のニオイを抑えられるという点ではガス火がおすすめですが、ニオイがまったく発生しないわけではありません。
タイプによっては煙が気にならない
ガス火を使った焼肉ではロースターと呼ばれる器具を使用しますが、無煙ロースターであれば煙がほぼ気にならないメリットがあります。
無煙ロースターは煙を焼き面近くの吸気口から吸い込み、ダクトで屋外に逃す方法で排煙する仕組みです。また、無煙ロースターによっては高温部に脂が落ちにくい仕組みとなっているものもあり、もともとの煙の発生を抑えることができます。
どれだけ煙を抑えられるかは、無煙ロースターの性能によって変わりますが、性能のいいもので、適切に換気をすれば、店内で煙が充満することはありません。
ガスで焼肉するデメリット
ガス火による焼肉には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。ここでは、ガス火で焼肉するデメリットを紹介します。
燃焼温度が上がりやすい
ガス火で焼肉する場合、火力調節することができます。しかし、多くのガス機器は火力調節がなされる前提で火力が強めに設定されているので、火力調節を怠ると焦がす場合があることがデメリットになります。食材や状況に応じた適切な火力調整が必要となります。
ガスのニオイが気になる場合がある?
ガスにはニオイがつけられているため、焼肉をしているときにガスのニオイが気になるという方もいます。
ガスはもともと無臭の気体ですが、そのままだとガス漏れに気づきません。そのため、ガスには人工的に付臭剤を加えてニオイがつけられています。
この付臭剤のニオイは「タマネギが腐ったようなニオイ」と表現されるように、一般的に良いニオイとはいえません。
ただし、ガスのニオイは燃焼時に完全に消えるため、正常使用中にガスのニオイが残るわけではありません。しかし、ガス漏れなどの際にはニオイが発生するためニオイが気になる場合は注意が必要です。
炭火で焼肉するメリット
炭火焼肉は、主に木炭を熱源としておこなう焼肉です。直火の赤外線放射加熱となります。ここでは、炭火で焼肉するメリットを紹介します。
香りが楽しめる
炭火で焼肉するメリットは、落ちた焼き汁や脂が炭にあたって煙が立ちのぼり、焼肉の香りが楽しめることです。
炭火はニオイがつきやすいというデメリットがあるものの、ニオイそのものは香ばしさがあり、食欲を引きたてます。特に備長炭のように上質な炭は独特の香ばしさがあり香り付けができます。
一方、品質の悪い炭は炭化が甘く不純物が残っているため、食材を焼く前から鼻をつくようなニオイがする場合もあります。
気分が癒される
たき火を見て癒されるように、炭火焼肉も炭の火を見ることで気分が癒されるというメリットがあります。また、火のゆらめきだけではなく、炭の音、炭が燃えるニオイなど、視覚・聴覚・嗅覚に働きかけて落ち着かせる効果も考えられます。
炭の淡い色や炭が立てるチリチリやパチッなどの音は、ガス火の焼肉だと味わうことができません。火を起こすのは大変ですが、炭火を用いることで独特な雰囲気を楽しむことができます。
炭火で焼肉するデメリット
炭火焼肉には述べてきたようなメリットがありますが、デメリットもあります。
ここでは、炭火で焼肉する際に知っておきたいデメリットを紹介します。
火の調整が難しい
炭火で焼肉するデメリットは、ガス火と違って火を簡単につけたり消したりできず、火力の調整も難しいことです。
炭火は、焼くのに時間がかかることや、網の端と中央で焼け具合が異なり、加熱時間や食材の乗せ方に気を使います。
また、網にたくさん食材を乗せると、七輪が食材でふたをされたような状態になり、酸素不足から炭火の火力が弱まってしまう場合もあります。
会話に集中して目を離してしまうと、肉が焦げてしまうため、常に焼き加減に常に注意しなければなりません。
ニオイや汚れが気になる
炭火焼肉のメリットに香りを引き立てる効果がありますが、ニオイや汚れが生じやすいという点ではデメリットです。
香りは炭の煙や灰が食材に絡みつくことで高まる一方、油煙が衣類や髪の毛に付着するとニオイがなかなかとれません。また、七輪の場合だと脂や灰はねによって衣類が汚れてしまう場合もあります。
ただし、ガス火の焼肉で多く使われているロースターの中には炭火に対応しているものもあり、これなら炭火でもニオイや脂はねを抑えられます。きれいなテーブルで美味しい炭火焼肉が楽しめます。
焼肉でガス・炭火を選ぶポイント
ガス火も炭火もそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらがいいかは状況によっても変わってきます。
ここでは、焼肉でガス・炭火を選ぶポイントを紹介します。
焼肉の部位・食材で選ぶ
炭火焼でおすすめの部位・食材は鶏肉やホルモンなどです。
炭火焼は上手に調理すれば「遠火の強火」の効果で表面を焼きながら中もしっかり火を通せるため、強火でカリッと焼きながら中まで火を通したい食材に向いています。
一方、赤みのたれ肉や薄切りの肉であれば火力調節できるガス火がおすすめです。炭火焼は火力の調整が難しく、薄切りの肉だと焦がしてしまう可能性もあります。
コストで選ぶ
ランニングコストだと、炭火よりもガス火の方が有利です。
炭火の場合は炭代がかかり、香りや旨味を引き立てるなら、炭の中でも高級な備長炭を選ぶことになります。また、炭火だと食事の途中で火を消すことができず、炭のロスが増えてコストが増します。
その点、ガス火なら自由に火力の調整ができ、ガス代だけで焼肉が可能です。ガスロースターを導入する場合は初期費用が高くなりますが、長期的なランニングコストを含めて考えると、それ以上のメリットがあります。
メンテナンスで選ぶ
炭火のメンテナンスは七輪の底に残った灰を捨てるだけであり、内部のお手入れが必要というわけではありません。一方で、七輪の外部に着いた汚れを掃除する必要があります。
ガス火は無煙ロースターの場合、吸気口や内部、特にフィルターを日常的に清掃する必要があります。また、吸気口や受けの部分、排気ダクトは定期的に清掃する必要があります。
ただし、ロースターのメンテナンスは機種によっても異なり、排気ダクトに接続しないロースターにはメンテナンスがしやすいタイプもあります。
ガス火で焼肉を検討している場合は、メンテナンスのしやすさを重視し、ロースターを選ぶのもよいでしょう。
炭火とガス併用もある
炭をロースターで使用したい場合、炭火焼ガス着火式という方式もあります。これは炭に火がつくまでガスで加熱し、炭に火がついたあとは、炭火で食材を焼いていきます。焼肉ロースターの中では、もっとも七輪の炭火焼に近いスタイルです。
ガス火は炭の点火のみに使われるため、ガス着火式の炭火焼きロースターであれば炭火焼きと同じの焼き具合になります。
まとめ
この記事では、ガス火・炭火それぞれにおいて焼肉するメリット・デメリットを紹介しました。
ガス火で焼肉するメリットは、火力の調整がしやすいことや、焼き面を網やロストルなどから選択でき、自分の好みに焼くことができます。
炭火で焼肉するメリットは、風味や香りに優れ、炭火焼の雰囲気を楽しめることです。ただし、ガス火のように火力の調整はできないため、焼き加減の調整が必要です。
ガス火にも炭火にもそれぞれメリットやデメリットがあるため、本記事を参考にどちらがいいかを検討してみてください。
山岡金属工業株式会社では、業務用から家庭用までさまざまな焼肉ロースターや焼肉器を取り揃えています。
たとえば、ガス式の赤熱板焼網タイプのロースターでは、強火力で赤熱板を加熱し、大きな熱量の赤外線輻射熱で素早く焼き上げ、食材の旨味を閉じ込めます。
他にも煙が気にならない無煙ロースターや上引きフードを各種取り揃えてもありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。